離婚事件・親子事件

夫が妻に対し離婚と慰謝料を求めた事例

事案

夫が,妻に対し,離婚と慰謝料の支払いを求めた事案です。夫は,性格の不一致のほか,妻に不貞行為の疑いがあることを主張していました。

経過

当事者間の協議において,妻は,疑われるようなことは何もしていない,離婚を求められる心当たりがないなどと主張し,どうしても別れたいというのであれば夫が相応の慰謝料を支払うべきだとして,高額の慰謝料を要求してきました。その後,家庭裁判所に調停を申し立てましたが,妻の主張は変わりませんでした。
しかしながら,夫は,不貞行為の確たる証拠を掴んでいました。そのことを調停委員を通じて伝えたところ,妻はこれまでの主張を翻し,慰謝料ゼロでの離婚にすぐに応じました。

コメント

このように,配偶者の不貞行為が疑われる場合,客観的証拠を獲得しておくべきです。日々の行動を記録しておくことも無駄ではありませんが,それだけではやった,やっていないの水掛け論で終わってしまうことが多いのも実情です。不貞行為の現場写真などがあれば一番いいのですが,そこまでのものでなくても,例えば,不貞行為の相手方との手紙,携帯電話の通話記録,メールなどの客観的証拠を集めるように心がけてください。
また,調停では,このような証拠を提示するタイミングも重要なポイントとなってきます。例えば,不貞行為の決定的証拠を調停段階で示すかどうかですが,本件のように話し合いが早期にまとまる可能性が高まる反面,まとまらなかった場合は,反論・反証を準備する機会を相手方に与えてしまうことになります。いつ証拠資料を提示するかの見極めが非常に大事になってきます。
なお,夫が受けた精神的損害については,本来妻に慰謝料を請求できますが,本件では離婚を成立させることを最優先にしたため,これにこだわりませんでした。精神的損害の回復については,離婚成立後,不貞行為の相手方に損害賠償を請求することで図ることとしました。

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